everlasting love~幾星霜の果て


“実は俺、夏休みに、……に会いに行ったんだ”




瑠衣と最後に会ったあの日。

いつもの昼休みの屋上。

瑠衣はほんの少し、緊張した面持ちで俺に打ち明けた。


あのとき俺は興奮と動揺が入り乱れた状態になって、瑠衣に矢継ぎ早にいろいろ訊いたよな?



それなのに俺は、瑠衣が追いかけ続けた好きな女の名前と顔を思い出すことができない。



“会いに行ったんだ”



まさかその場所が、瑠衣の倒れていたところなのか?

学校をサボってまで、瑠衣はそいつに会いに行ったのか?






「……ねぇ、瑠衣くん大丈夫なの!?」




学校に行けば、瑠衣の取り巻きの女子たちが引っ切り無しに俺を訪ねてくる。

みんな心配そうな顔をして瑠衣の様子を訊くけれど。




「まだ意識が戻らないって」




俺はそれだけしか言えない。



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