everlasting love~幾星霜の果て
「言われてみれば、瑠衣とそんな話をしたような気もするのよね。はっきりと覚えていないんだけど……」
お母さんもまた、俺と同じだ。
瑠衣との会話の節々に記憶されていない“何か”がある。
「でも、私の勘違いかも。瑠衣って女の子に人気があったんでしょう? ひょっとしたら、その中の誰かと会うっていう話だったかもしれないし」
それに、と、お母さんは言葉を足した。
「今はもう、あの日瑠衣に何があったのかなんてどうでもいいの。ただ、瑠衣が目を覚ましてくれることだけを望んでいるから」
瑠衣が、目を覚ましてくれることだけを――……
お母さんの言葉に、ようやく目が覚めた。