everlasting love~幾星霜の果て


わけが分からず、ちょっとふてくされたように言うと、3人そろっておいおい泣き出す始末だ。


この意味不明な状況。

聞けば、俺はN県の和泉市にある大昔の遺跡近くで倒れていたという。

しかも、たった1人で。




「瑠衣、覚えていないのか? 夏休みにおまえ、あの遺跡に1人で行ったんだぞ。しかも泊りがけで」


「そうよ、瑠衣。それなのに、どうしてわざわざ学校を無断欠席してまで、また行ったりしたの?」




長い眠りから目覚めたばかりだというのに。


学校をサボって遺跡見学の末に、意識不明の状態で発見。

こんな不可解な行動を起こした経緯を、父さんと母さんは容赦なく責める。




「……夏休みに1人で行った? ……さっぱり覚えてない。つか俺、イセキとか、そういうの興味ないし」




これっぽっちも縁のない場所にいたことよりも、自分が半年近くも意識不明のまま眠り続けていたことの方に驚いた。



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