everlasting love~幾星霜の果て


「あ、えっと……名字、なんだったっけ?」




“沙希”と呼ばれた子に目配りしながら尋ねると、倉田は少し呆れたような口調で言う。




「守口。守口沙希よ。高1のときからあたしといつも一緒にいたでしょう? 瑠衣くんとも1・2年のときに同じクラスだったじゃない」


「あぁ、いや、覚えてる。ただ、名字をど忘れして……」



あぁ、そうだ。

そういや、いたかも。

守口 沙希って子……。


倉田のキャラがあまりにも強いもんだから。

だから、守口の存在を忘れていたのかもしれない。



でも――……



< 525 / 555 >

この作品をシェア

pagetop