everlasting love~幾星霜の果て
「あ、えっと……名字、なんだったっけ?」
“沙希”と呼ばれた子に目配りしながら尋ねると、倉田は少し呆れたような口調で言う。
「守口。守口沙希よ。高1のときからあたしといつも一緒にいたでしょう? 瑠衣くんとも1・2年のときに同じクラスだったじゃない」
「あぁ、いや、覚えてる。ただ、名字をど忘れして……」
あぁ、そうだ。
そういや、いたかも。
守口 沙希って子……。
倉田のキャラがあまりにも強いもんだから。
だから、守口の存在を忘れていたのかもしれない。
でも――……