everlasting love~幾星霜の果て


「そうだ、瑠衣くん。退院したら、美樹とデートしてあげてよ。美樹ってば、高1のときから瑠衣くんのこと好きだったんだよ~」


「もうっ、沙希っ! いいかげんにしてよ」




なんだろう、この消えない違和感は。


倉田と守口がすごく仲が良いのは、2人の様子を見ていれば分かる。

高1のときからずっと一緒だっていうのにも納得できるのに。



“倉田の親友”という位置をキープしている守口沙希の存在が、しっくり来ない。




「……守口。悪い、ちょっとジュース買ってきて欲しいんだけど」


「え? なに? あたし、パシリ?」


「や、そうじゃなくて。ちょっと倉田と話をしたいから」




そう言うと守口はニヤリと笑い、俺から500円玉を受け取ると「ごゆっくりー」なんて締まりのない顔をして出て行った。



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