everlasting love~幾星霜の果て


確かにそうだ。

小さい頃、自分から「あれを習いたい」「これをやりたい」と、習い事と称するものを手当たり次第やってきた。



いま思えば、何をあんなに必死になっていたんだ?

俺はなにを目指していたんだ?



……それもまた、結局、答えが見つからなかった。






そんなあやふやな記憶を抱えたまま、季節はゆっくりと流れていく。




「引越しの準備、進んでるかー?」




第一志望だった、ごく普通の国立大に合格し。

4月からの1人暮らしに備え、部屋にこもって荷造りをしている俺を慶太が訪ねてきた。



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