everlasting love~幾星霜の果て


「ところで、いつ出発するんだっけ?」




思い出したように言いながら、慶太は卒業アルバムを段ボール箱のなかに丁寧にしまいこんだ。




「来週の月曜」


「そっかー。おまえと離れるのって初めてじゃね?」


「あぁ……、そういえばそうだな」




中学の頃からずっと一緒だったから。

そばにいるのが当たり前だと思っていた。

そんなかけがえのない存在でもある慶太と離れることを思えば、センチメンタルな気分に浸ってしまう。




……慶太のいない世界、か。



そう思った瞬間に、胸の奥がギュッとしめつけられる。



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