everlasting love~幾星霜の果て
「顔がよくても、スタイルがよくても、何かこう……ピンと来るものがないとダメだろ」
「えーそうかー? じゃあさ……」
夏樹はふと立ち止まって、大学の敷地内をキョロキョロ見渡し始める。
そして、あるところで視線をピタリと止めると、顎で指し示しながら俺に言う。
「たとえば、おまえがあの子にピンと来たとするだろ? で、おまえはあの子を彼女にできるのか?」
一例として勝手に御指名を受けた、名前も知らない初めて見る女の子。
俺と夏樹がこんな話をしていることも知らず、俺らの背後にある講義棟を目指して歩いている。
肩まで伸びた髪は寝癖がついていてボサボサ。
ほんの少し猫背で、ずっと俯き加減。
性格暗そう。
そんな第一印象を抱かざるを得ない。