everlasting love~幾星霜の果て
「いや、ちょっと覚えていなくて。気付いたら持っていた……っていうか」
俺が言うと、彼女はがっかりしたように小さく溜息をついた。
「そっか。実はね、あたしのも、」
彼女が何かを言いかけたとき、夏樹が「瑠衣!」と俺を呼ぶ。
振り返った俺に、夏樹は「今日、来るんだろ?」と、合コンの出席確認をしたけれど。
「悪い、パスする!」
合コン皆勤賞だった俺は、珍しくパス宣言をした。
がっくりと肩を落として立ち去っていく夏樹を見送ったあと、俺は彼女のほうに向き直る。
「よかったら、名前教えて?」