everlasting love~幾星霜の果て
これまで積極的に合コンに参加してきたけれど。
ナンパ並みに速攻型で物事を進めていくのは、きっと初めてかもしれない。
「…………」
突然現れた初対面の男に名前を訊かれ、彼女は少し戸惑っている。
……あぁ、違うだろ、俺。
相手の名前を訊くときはまず、自分の名前を名乗ってから、だろ。
戸惑っている彼女を見て反省した俺は、改めて自己紹介する。
「俺は小林瑠衣。1年の工学部」
言い終えたあと、ようやく彼女の顔に笑みがこぼれた。
「あたしは……蜂谷麻友。同じ1年で、文学部」
照れくさそうに笑った彼女に、俺は、どこか懐かしさを覚えた。