喧嘩屋土門
盆の一つも食らえば飯が食える。

元来丈夫に出来ている土門には有り難い話だ。

正午も回った頃に土門は店を訪れた。

忙しい時間帯も過ぎ、店も一段落している頃だろうか。

店の入り口には『休憩中』の木札がぶら下げられている。

が、そんなものは気にしない。

馴染みの客というのは、こういう時にでも無理がきくと勝手に土門は思い込んでいる。

「おぅ、邪魔するぜ」

営業中ではない事すら無視して店の引き戸を開けた土門は。

「うぷっ」

肉々しい大きな背中に顔を押し付ける羽目になった。

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