喧嘩屋土門
「…何だ、本当に邪魔だな」

頭一つ上から声がする。

鼻っ面を押さえて見上げると、そこには着流し姿の大男が立っていた。

縦にも横にもでかい。

七尺(約210センチ)もありそうな背丈だ。

短く刈り揃えた髪の毛、左の頬には米神から口元辺りにかけて傷が走っている。

人相が悪い事もあり、その傷痕が強面に拍車をかけていた。

「小僧、飯を食いに来たなら出直しな。休憩中の札が下がっていただろう」

大男は土門を見下ろして言った。

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