喧嘩屋土門
はて、ゴロツキなど年中殴り倒している。

このゴロツキは、いつ仕置きした奴だったか…。

大してよくもない頭を働かせて。

「…おお」

土門はそのゴロツキが、先日商人の男を助けた時に張り倒した物盗りのゴロツキである事を思い出す。

いや、商人の男曰く、あれは物盗りではなかったか…。

「てめぇ、喧嘩屋!」

ズカズカと歩み寄ってくるゴロツキ。

「また俺達のシノギの邪魔しようってのか!」

甚平の合わせの所を鷲掴みにしたゴロツキを。

「がぁっっ!」

土門はパチキ(頭突き)一発でのした。

「ヤクザ者のシノギってなぁ、いつだって邪魔なんだよボケが」

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