喧嘩屋土門
「この野郎!」

「餓鬼が!」

次々とドスを引き抜くゴロツキ達。

「人の話をまるで聞いてねぇな」

土門は拳をゴキゴキと鳴らす。

…大体この連中の目的は読めてきた。

商人の男を狙ったのは、その娘を攫うのが目的。

ならばこの飯屋にこいつらが訪れたのは…。

「向日葵、おめぇも妙な連中に好かれたもんだなぁ!」

「余計なお世話よ!」

イーッ!と、向日葵が顔を顰める。

「痴話喧嘩してんじゃねぇぞ!」

向日葵と言い争っている隙にゴロツキが斬りかかってくるが。

「得物に頼るから、てめぇらチンピラは腕が鈍るんだよ」

ヒョイとドスをかわした土門は、その回避の動きと同時にゴロツキのどてっ腹に膝を叩き込む!

「うげぇっ!」

胃液を吐き出すゴロツキの着物の襟を掴んで。

「寝てろ!」

土門は後頭部から床に薙ぎ倒した!

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