喧嘩屋土門
「こ、この…小僧…」

股間を押さえて悶絶しながら、雲竜が振り向く。

…土門もまた酷い有り様だった。

頬には真っ赤な手形が残り、左目は腫れ上がって塞がったまま、顔中血塗れだ。

ペッと唾を吐き出すと、血と一緒に折れた歯まで飛び出してきた。

それでも。

「いいね…悪くねぇ…」

無惨とも言える顔で、土門は破顔一笑。

「こういう刺激的な喧嘩はとんと御無沙汰だ…続けようぜ大将!」

「ば、馬鹿言え…」

雲竜はヨロリとよろめく。

思い切り股間を蹴り上げられた。

先程から褌を染み出して、血が止まらない。

間違いなく潰れている。

こんな状態で喧嘩なんぞ…。

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