喧嘩屋土門
後ろに強く引っ張られるように舞う、雲竜の巨体。

その図体は店の引き戸に衝突し、扉を突き破って往来へと転がり出る!

肉達磨はゴロゴロと砂埃を上げて地面を転がり、道行く通行人の度肝を抜きつつ、向かいの店の入り口前でようやく止まった。

無論、雲竜に意識はない。

ダラリと舌を垂らして、無様な面を晒している。

「へっ」

片方の鼻の穴を親指で塞ぎ、チンッ、と鼻血を噴き出して。

土門はボロボロの顔で壮絶なまでの笑顔を見せた。

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