喧嘩屋土門
「気にするこたぁねぇよ…たまたま通りかかった縁だ…それよっか…」
足を組み、頬杖をついて。
土門は中年男を見上げた。
「昼日中から商人のあんたが襲われるたぁ穏やかじゃねぇやな…最近の物盗りは日のあるうちから仕事に精を出すのかい?ご苦労なこったな」
「いやいや…ありゃあ物盗りじゃないんだよ、土門さん」
土門の向かいの椅子を引き、中年男は腰掛ける。
「雲竜小五郎って知ってるかい」
「雲竜?」
甚平の懐に手を突っ込み、土門はボリボリと掻く。
「何年か前に、そんな四股名の力士がいたな…あっという間に番付上げて、こりゃあ無類の横綱になるって評判だったが…」
足を組み、頬杖をついて。
土門は中年男を見上げた。
「昼日中から商人のあんたが襲われるたぁ穏やかじゃねぇやな…最近の物盗りは日のあるうちから仕事に精を出すのかい?ご苦労なこったな」
「いやいや…ありゃあ物盗りじゃないんだよ、土門さん」
土門の向かいの椅子を引き、中年男は腰掛ける。
「雲竜小五郎って知ってるかい」
「雲竜?」
甚平の懐に手を突っ込み、土門はボリボリと掻く。
「何年か前に、そんな四股名の力士がいたな…あっという間に番付上げて、こりゃあ無類の横綱になるって評判だったが…」