カワラナイデ。
「どうした?今日はやけに素直じゃん」
「゛今日は"って何よ。いつも素直ですー」
ふざけあいながら、目的地へと向かう。
川に向けて、少し斜面になっている場所。
いつも、ここでダンボールそりをしていた。
「久しぶりだけど…できると思うか?」
「やだーおじさんっ」
伊織に睨まれる。
私は知らんぷりをして、ダンボールを地面に置く。
ダンボールに取り付けたひもを手でつかんで、少し前に体重をかける。
ーすると。
「きゃーっ!」
ダンボールは、斜面を勢いよく滑り降りた。
「伊織もおいでよー!」
思いっきり腕を振る。
すぐに、伊織はダンボールに座った。