白い翼と…甘い香り
「あっ!! 流れ星っ!!」
「えっ? どこ?」
和也の声に驚いて
うつむいていた顔を上げると
もうどこにも
流れ星なんて見えなくて
すぐ横で笑ってる
和也と目が合った。
ものすごく優しくて
包むような顔で笑ってた。
「ね、リカっ
まだ間に合うよ、願い事は?」
「願い事?」
「そうだよっ
何でもいい、願って!」
慌ててそう言うと
和也は両手を握り締めて
ギュっと目をつむって
何かを願ってた。
つられて私も
急いで両手を握り締めた。
何を、願おう?
早く、願わなきゃ!
そう思いながら浮かんだ事は
たった1つで
……2人の時間が、ずっと
続きますように……
そんな事しか
浮かばなかった。
それ以外に
願う事も、無かった。
どうしても、それを
願いたかった。