白い翼と…甘い香り
ゆっくりと目を開けると
また和也は笑っていて
「ねぇ
何をお願いした?」
子供みたいな顔で
私の顔を覗き込んだ。
「ん~、和也とずっと
一緒に居たいって」
「そうなんだ?」
「和也は?」
「俺? 俺のは内緒」
「内緒?
私には言わせたクセに
ズルいじゃないっ、教えてよ」
「やだ、教えてやんねぇ」
「あぁ~あ、私も
内緒にしとけば良かった」
そう言って
少しふくれた私の顔を
和也はじっと見てた。
本当に
優しそうな、顔で…
だから私は意味もなく
「ふふふ…」って
ニヤけたように笑って
和也の肩にもたれ掛かってみる
「願い事
叶うといいな」
私にも、自分にも
言い聞かせてるみたいに
小さな声で言いながら
和也は空を見上げた。