白い翼と…甘い香り

主人は、私を何だと
思ってるのか知らないけど

少なくとも私は
愛されてるなんて
思った事がない。


飾りのように
必要な時だけ愛想良く笑う

「妻」という人形が
欲しかったのかも知れない。


それでも、最初は
愛してるって思ってた。

少なくとも私は
結婚に憧れていたし
幸せになれると思っていた。



私の言葉を聞いてくれない
気持ちを聞いてくれない
私の意見を受け容れない


私には「心」なんて無いと
そう思ってるような態度に

今は話し合いをする事すら
諦めてしまった。


自分を
認めてくれない人との生活は

寂しいと言うより、虚しい。


最初から「妻」なんてのは

形を整えるためだけに
必要だったのか

適当に見栄えも経歴も
恥ずかしくない程度の

私を選んだのかも知れない。


仕事場として借りてる
マンションで
寝泊まりをする日が段々と増え

週の半分くらい
義務のように帰って来る。



あの人は
何よりも仕事が大事で

妻の私には、金銭的に
不自由させなければ

夫の役目は果たしていると
そう思い込んでるような人。


そんな私を、あの人は
「幸せ」だと…

多分そう思い込んで
疑ってない。

そんな、人だった。


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