白い翼と…甘い香り
抱き締めた腕を
ほどきながら
和也は
「もうベッドに入ろう」
と言う。
薄暗い明かりの中で
キレイな和也の顔は
ずっと微笑んでいた。
「ねぇ、朝まで
手、繋いでよ…」
「ずっと?
何も、しねぇで?」
「うん、抱き締めて
手を繋いで、眠りたい」
苦笑いをしながら
「我慢、できっかな?」
なんて言うけど
しっかりと指を絡めて
手を繋いでくれた。
片方の手は腕枕をして
向き合って
胸元でお互いの手を
握り合った。
「包まれてる
みたい…」
「俺は
拷問みてぇだけど」
「いいじゃない
こうやってると
安心するんだもん」
「リカが
そうしたいんならいいよ。
安心して、眠れんなら…」
優しい声でそう言って
オデコにチュッとキスをした。
私の願うことに
何一つ反対をしないで
ワガママを聞いてくれる。
それが和也の優しさだと
実感できる。
「我慢すんの朝までね
朝方、襲うよ?」
「朝なの?」
「そう、覚悟しといて
寝ぼけてるリカを襲うから」
和也の
とてもいい香りに包まれて
暖かい手を繋いで
こんな幸せな夜は初めてだった
心の中が、満たされる。