白い翼と…甘い香り

「意味が、分かったよ…

ずっと、付けてる
大事にする…」


「外さねぇ?」


「うん、きっと
ご主人様以外は

外せないんだね?」


そこで和也は
フフッっと笑った。

ちゃんと
言った意味が通じたと

それを私が了解したと
そんな感じの笑いだった。



「じゃ、リカは
俺のもんだから。

現実はそうなれなくても

気持ちは全部
俺のもんだからなっ」


「うん…、いい、よ…」



ベッドの中で向き合って

強く強く抱き締められる。



和也の香りが強く匂って

何だか身体の芯が

キュンとなる。



切なくて

でも嬉しくて


この腕の中に

ずっと居たいと

儚い事を願ってしまう。




「だから…


迷子に

なんなよ…」



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