白い翼と…甘い香り
それから
最上階のレストランへ上がり
夜空と夜景の両方がとても
キレイに見える窓際の席で
ゆっくりした時間の中で
食事を楽しんだ。
ワインを飲みながら
テーブルの上で揺れる蝋燭の
光りが儚げで頼りなくて
それでも
真正面に座る和也の顔が
もの凄くキレイに見えて
少し、照れくさかった。
「ホントは
お箸がいいんだけど」
「こんなちゃんとしたコースで
それはダメだよっ」
なんて、小さな
ヒソヒソ声で笑いあって
「けど、たまには
こういうのもいんじゃね?」
「ちょっと緊張するけどね」
そう言って
周りに座っている上品そうな
人達を眺めてみたりしてた。
最後のデザートまで
ゆっくりと楽しみ
割と早い時間の予約だったから
「この後はどうする?」と
まだまだ夜は続きそうだった。
「外へ散歩に行かね?」
と言った和也の提案に喜んで
2人でホテルの外に出た。
手を繋いでアテもなく
ブラブラと歩きながら
昼間とは違った景色を楽しみ
些細な事を話したり
夜の街は
まだまだ明るくて賑やかで
自分の気持ちが
弾んでいると分かる。
しばらく賑やかな夜の街を
散策して楽しんだ後
テイクアウトのコーヒーを買い
ホテル横の公園へ向かう。
私も和也も、何だかやけに
この公園が
気に入ってしまったみたい。
夜の公園は
仄かにライトアップした
明かりがキレイで
噴水の中は薄い水色の光りが
水と一緒に揺れて見えてた。