白い翼と…甘い香り
どうせ、私は抱きすくめられて
動けなかったんだ。
和也の力にも
かなうはずなんて無かったんだ
アッと言う間に頬に添えた手は
強引に頭ごと抱え込んで
背中から抱き締めたままの
姿勢で顔を引き寄せると
和也は周りの目を気にせずに
キスをした。
何を言い出すんだろうと
慌てる間もなく
耳許で囁く声に
驚いてるうちに…
「ダメだよ」
って言葉はもう
和也のクチビルでふさがれて
飲み込むしかなかった。
一度クチビルを離し
「誰も見てねぇから」
なんて言いながら
もう一度、今度は
さっきよりも本気で抱き締めて
決して軽くはない
身体が反応してしまうような
キスを繰り返した。
手を腰に回して
グイッと引き寄せ
片方の手は
耳と首筋を撫でる。
和也の両足の間で
階段の1段
低い場所に居た私は
全部を和也に
抱き締められたみたいで
本当に身動きすら
出来なかった。
でも
何度もキスをしながら
誰に
何を見られたって平気って
今持ってるこの気持ちは
ウソじゃないって
開き直った気持ちに
なったりする。
私の気持ちは
フラフラしてる。
どうすればいいのか
分からなくなってしまう。