白い翼と…甘い香り

■もっと一緒に…■


ホテルの部屋に戻る時は
何だか和也に
引っ張られてるようで…

強く手を握って
ぐんぐんと大股で歩きながら
私を引っ張り

時々は振り返って
ニコリと笑ってみたり

ご機嫌な様子で
鼻歌を歌っていたり…

エレベータに乗り込むと
ドアが閉まるのを
待ちかねたように

壁際に私を追い詰めて
ゆっくりとキスをした。

2人になるのを
待ち切れなかったように

次にドアが開くまで
1度もクチビルを離さなかった

暖かいクチビルから気持ちが
流れ込んで来るみたいに

こんな時、私の事をちゃんと
想ってくれてると確認できる。

待てないほどに
早く触れたかったと

分からせてくれるキスが
大好きだった。



部屋に戻り、座り心地が良い
ソファーにもたれ

貰って来た
ガイドブックを眺める。

和也はすぐにでも
お風呂へ入ろうと言うけど

少しね
今の状況を楽しんでいたくて
ゆっくりしたいって思ってた。


日常とは違う空間に居る
2人を楽しみたかったし

何気ない事が
暖かいのも知ってたから。

窓から見える夜景が
キレイだったり

今日は満月に近いねなんて
言い合って空を見上げたり。


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