白い翼と…甘い香り

突然、和也に触れたいと
思う瞬間がある。

どれだけ近くに居ても
もっともっと近付いて
触れたくて

たまらなくなる瞬間があるんだ

クチビルを離すと

「どした?」

と、私の髪を下から
かき上げるような動きで
頬を撫でる。

少しゴツゴツした手が、
優しすぎるくらいの動きだから
また、愛しさが込み上げる。


「キス、したくなっただけ」

「ふぅ~ん」

首を傾けるように
和也は私をじっと見た。

瞼をとろ~んとさせて
少しアゴを上げて
見下げるような目付きになると

キレイな弧を描く
二重のラインが強調されて

何だか寂しそうで眠そうな
でも、色っぽくてキレイで

切なそうな表情は
抱き締めたくてたまらなくなる


「もう1回、してもいい?」


和也は、フッと
クチビルの端で笑うと


「んなの、いちいち聞くなよ」

と、下から
首筋に手を回して引き寄せる。

片方の手は腰へ添えられて
背筋を這うように動き始める。

体勢を入れ替えるように動き
私を押さえ付けるように
寝かせると、やっぱり…

私からのキスではなく
和也に貰う、キスになった。

「お揃いで
お守り買おうな…」

そう言って、バスローブを
脱がせながらキスを繰り返す。


私たち2人は
そんな小さなお守りに

希望を探して…

何かを…


祈りたかったのかも
知れないね…


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