白い翼と…甘い香り

ふと、夢を見て目が覚めて
まだ真夜中だと気付く。

和也は隣りで眠ってる。


自分では
気付いてないだろうけど

眠ってる和也の腕は
私の身体に絡み付いてる。

いつも同じように
抱き締めるように
私を離さないように

腕を絡み付けるように
眠ってる。


安心した子供みたいで
でも…

大事な物を手放さないような
雰囲気にも思えるの。


私はきっと、和也を
不安にさせてるんだね。


だから
眠る時も離さないように

抱き締めて
くれてるんだね…

約束をした訳じゃないのに
あの日から必ず

寝る時は同じ香水を
つけるようになった。


和也とセットになってしまった
この甘い香りは

別々には切り離せないくらい
私に馴染んで

和也の香りと言うよりも
安心をくれる香りに
変わっていた。




包まれていなきゃ
寂しい私と

包んでいなきゃ
不安な和也と


ホントはどっちが

孤独なんだろう…

ね……

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