白い翼と…甘い香り

私も何か気になって考えると
何だか、和也と居る時に
見る事が多い… かな?

あれ?

1人で寝ていて
見た事あったかな?

「ねぇ、ホントに電車の中?」

「うん…、多分」

「2回目は?」

「ん~とね
和也に初めて会った日かな
多分ね、そうだったはず」

和也はまた少し考えて急に
思い出し笑いをするように
笑い始めた。

「七夕セールってさぁ
白い細身のサマーニットで
膝下までのデニム履いてた日
じゃね?」

「そんなの覚えてないよ~」

アハハと笑ったけど
えっ…、なんで?

でも、そうだったかも知れない

白いサマーニットは買ったばかりで
あの日初めて着たのだったよ?

「和也には
まだ会った事もない頃だよ?
話した事あったっけ?」

クーラーが壊れて
眠れなかった話とか
お気に入りのサマーニットとか
話した事があったのかな?

和也は横で、クスッと笑った。

「言わなかったんだ、俺が
怪しい奴みてぇだったから」

「何を?」

「その日、リカに会ってんだ」

「その日って七夕セールの日?
会ってないよ〜
引っ越してくるまで1回も
会ってないでしょ?」

私はまた、そう言って笑った。

和也に出会う
何日も前の話だよ?

それは、おかしいでしょ?



夜中に目を覚ましてからずっと
ベットの中で腕を絡めて
向き合って抱き合ってる。

腕まくらに頭を乗せて
その手は背中を抱えるように
絡み付いて肩を撫でる。


和也が笑うと、その笑いは
身体に振動するよう伝わり

なんだかそれだけで
私まで

笑ってしまうんだよ。


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