白い翼と…甘い香り
「黙って我慢することくらい
どーってことねぇよ。
リカの世界が
俺のせいで壊れて
それで、逢えなくなんなら…」
そこで
言葉を切った和也は
もっともっと強い力で
私を抱き締めた。
月明かりの
薄暗い部屋の中で
和也の低い声だけが
私の耳を優しく撫でるように
頭の中へ響くように
聞こえてくる。
「俺も一緒んなって、…守る。
リカの大事な物は
俺も一緒に
守るから…」
膝が
崩れそうになる。
ねぇ、和也…
そんな言葉を
言って欲しかったんじゃない。
それじゃ私は
アナタの何を
守ればいいの?
私のために、和也が
傷付く事なんて間違ってる。
今の私では
アナタを幸せに
出来ないんだよね?
背負わせてしまう
事ばかりで
私を
庇ってばかりいる。