白い翼と…甘い香り
出会ってしばらくして預かった
合鍵で和也の部屋に入り
脱いだままの服を何着か片付け
すぐに夕食を作り始める。
目の前にやるべき作業があると
その間は考え事をしなくてすむ
少し手が空くと無理にも
お風呂掃除をしていたり
キッチンの流し台を磨いたり
何かしら動いていないと
苦しくなる。
ピカピカに磨いたお風呂を見て
和也は何と言うだろう…?
と、そう考えて少しだけ
自分で笑う事が出来た。
「一緒に入ろっ!」
って言うに決まってる。
すぐに私の服を
脱がせようとして
首筋にキスしながら
言うのなんか分かってる。
記憶に刻まれた想いは
時間と共にいつか消えて
無くなるのかな…
いつかは
色褪せてしまうの?
だったら…
これから先の記憶はいらない。
無くても、構わない。
だから、和也の事だけ
いつまでも鮮やかに
体温さえも忘れずに
覚えていられたら
いいのにね…