白い翼と…甘い香り
少し離れて…
ほんの50cmくらい
離れて座っていた距離
それを縮めるようにゆっくりと
和也は近寄って来た。
近寄って
手を差し延べるように
私の頭を抱え込んだ。
抱き締めるのでは無く
片方の手で
私の頭を自分の肩に
乗せるようにして
髪の毛を撫でた。
和也の指が
髪の毛を梳くように
絡まりながら
優しく頭を撫でるから
子供みたいな声を出して
泣きたくなった。
「離してよ…」と
言おうとした言葉が
喉元で引っ掛かり
どうしても出てこない。
近寄る和也を
拒もうと差し出した手も
そこから
動かなくなった。
暖かい、ね…
和也の手は、優しいね。