白い翼と…甘い香り

「リカは、弱虫だよな。

自分が我慢したり抑え込んだり
気持ちを隠すこと

そっちを選んだんだろ?

俺のこれから先の未来
一緒にいちゃいけないって
思ったんだろ?

色んなこと考えてリカは俺を
幸せに出来ないって思って

自分の気持ちと
俺の未来と

天秤にかけて比べただろ?

どっちが大事だろうって考えて
自分が我慢する方を選んだ。

違う…?」



「違う、わ…
そんなの全然、違うから」



さっき怒鳴った声とは
まるで違う

聞いたこともないような
優しい声で言った。



「違わねぇよ。
分かるんだ…

リカがホントに
俺を傷付けて平気なら
もう会わないとは言わねぇ。

帰って来たらまた遊ぼうって
俺の気持ちを引き止めてる。

帰って来るから待っていてって
甘い言葉を囁いてから行くんだ

俺が待ち続けるような
甘い言葉をね。

本気じゃないから
遊んで傷つけられる。

そうじゃねぇ?

俺を本気で想ってるから
自分が辛くても我慢する。
俺を想って、自分が悪者になって
今離れようとしてるの

そんなの、分かるよ…」



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