白い翼と…甘い香り
たった一言も
言葉が出てこなかった。
最後に
「逢いたい」と
そう言って笑った
和也の顔は
涙で滲んで…
あんなにキレイで
優しかったのに
鮮明には
見えなかったんだ。
言葉だけが頭を巡り
考えなきゃいけない事が
多くて
意味を理解するだけで
私には精一杯だった。
曖昧な言葉で
はっきりと気持ちを示す
言葉でもなくて
だけど、こんなにも私と
向き合ってくれた人は
居ないんだよね?
そういう、事でしょう?
和也を想って
離れようとした私を
やっぱりそれ以上に
想ってくれて
まだ、私を
励ましてくれるんだね…
幸せは…
和也に貰った物だと
思ってた。
違う……?
これから先の幸せは
自分で、探すの?
掴み、取る…?
自分の、手で…?
そうしたら私は
和也を想い出しても
笑っていられるの?