白い翼と…甘い香り

ぼんやりとモーニングを食べて
コーヒーを飲んでいたら
主人の携帯が鳴った。

仕事の話だったようで
少し慌てて早口で喋りながら

携帯している小さなパソコンを
開いて操作を始める。

そうなると長引きそうで
私は暇になり

「少しブラブラしてくる。
手が空いたら電話して」

とメモを書いて見せると主人は
指でOKのサインを出しながら
ずっと携帯で喋っていた。



モーニングの店を出て
特に珍しい物なんて
無かったけど

何件も並んだ小さな
土産物屋を覗きながら歩く。


目的もなく
目当てもなく
ただ時間を潰して歩く。


大きなカバンを抱えて
歩く人達は皆が楽しそうで

疲れて歩いてる人を見掛けても
両手にたくさんの土産を抱えて

待ってる人の所へ
急いでいるように見えた。


搭乗手続きは
早めに済ませたから
もうする事は何もなくて

時計を見たらあと少し
私は日本に居られるんだなぁ…
なんて、そんな事を思ってた。


ブラブラするのにも飽きて
飛び立つ飛行機が見渡せる

全面がガラス張りで作られた
大きな窓の前で外を見てた。


悔しいくらい
真っ青な空に

吸い込まれてく飛行機を
ぼんやりと眺めていた。


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