白い翼と…甘い香り
「リカ・・・?
帰って来てって、
リカが俺に言うのは
間違ってんだよ?
それ、俺のセリフじゃね?」
「……」
「今は帰る。
今のリカには
逢いたくねぇから…」
「じゃあ、どうして来たのよ。
放っておいてよっ!」
「もう1個、紙袋の底に
小さな箱が入ってんだろ?
開けてみ」
気付かなかった小さな箱を
包み紙を破るように
慌てて開けてみる。
声が出ないくらい
驚いた…
薄っぺらな
小さな、プレート。
裏側を見て、もっと驚く。
驚くと言うより
心臓が止まりそうになった。
どうしていつも
私が言った小さな事を
こんなにも
覚えているんだろう…
「なん…で?」
「リカが言ったんだ。
お揃いのを
俺にもつけるって。
ちゃんと名前、入れてきた。
それはずっと前から買ってた。
クリスマスに渡そうかなって
思ってたから」