白い翼と…甘い香り
小さな、ドッグタグ。
「私が買うって言ったのに
和也が買ってくるの
おかしいじゃないっ」
そんな
どうでも良い事を叫んでいた。
裏には私の名前を入れて
今度は和也につけちゃうよって
いつか話した。
ベットの中で
私の胸にずっとついてる
“Kazuya”という名前を
2人で見ながら
私の名前が入ってる物
今度は和也にもつけちゃうから
って笑いながら言うと
んじゃ、お揃いにしてよって
そう言ったんだ。
俺にも、ちゃんと
飼い主が欲しいよって
笑いながら冗談みたいに
言ったんだ。
ちゃんと捕まえてなきゃ、俺
フラフラしちゃうかもよ?って
そんな
ウソだと分かってる言葉を
笑いながら言ったんだよね。
口では
そんな事を言いながら
私はあの時
反対のことを考えていた。
そんなモノは
和也の首にはつけられない
縛り付けることは出来ない
だから、絶対に
買いに行くことは
出来なかったんだ。