白い翼と…甘い香り
第4章

■新しい生活■


アメリカに着いて
最初の1ヶ月は

慣れない環境に精一杯で
少し体調を崩したりした。


言葉も、大学で習ったのなんて
なんの役にも立たなくて

身振り手振りで
一生懸命に伝えて

全く違った生活に悪戦苦闘して
正直なところ最初は

和也のことをゆっくりと
思い出してる余裕がなかった。



心の中に
大事に大事に閉じ込めて

わざと思い出さないように
してたのかも知れない。


落ち着いてから考えよう
ちゃんと真っ直ぐ
考えなきゃいけない

だからバタバタした状態で
考えたくなかったのかも知れない。



考え出せば、何だか
本当に気が
おかしくなりそうで…


だから
ゆっくりと落ち着いて

自分の生活が安定してから
考えようって思ってた。


思い出せば
暖かくなる気持ちと
切なくなる気持ちと両方で

色んな事に迷いながら
取りあえず生きてる
今の生活が、大事だった。


何かを変えようというのは
とても大変な事だって
改めて気づいたりもした。


生活の状況が
変わっただけで慌てていて

それを、もっともっと
大きく変えるのは

どれだけのパワーが
必要なんだろう…


そんな事で
考え込んだりもした。


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