白い翼と…甘い香り

それは…

気持ちが薄れるとか
離れるとか

そういう感情とは
全く別の場所にあって

心の中にある想いは
決して減ったりしなかった。


減らなくて
増え続けて


それでも

温もりを感じられない
場所に来てしまうと

それに、慣れる。



夏になれば

冬の寒さを肌で
感じられないように…


絵に描いたバラの花には
決して香りが無いように…



確かに知っている物なのに
今は感じられない
体感できない

でも知ってるから
決して忘れたり出来ない。


それでも今は
触れ合えないという事に

納得してしまう。


私は、和也が
傍に居ないという事に

慣れてしまって
いたんだね。


愛しさは絶対に減らない

恋しくてたまらなくて
寂しくて崩れそうになっても

そばに居ないという事を
受け入れる。



そうしなければ
自分が

消えてしまいそうで…



愛おしいという感情を

抑え込む…


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