白い翼と…甘い香り
美容師さんは私が言うのを
分かってくれたけど
何だか納得ができないような
表情で考えて
そして私が普段着に
巻き付けてきたショールを
上手くアレンジして
首元を隠してみたらどうかと
提案した。
シルバーのドッグタグは
エレガントじゃないって
そう言ってる。
それは私も、分かってる。
でも
外したくないのだから
仕方ないじゃない。
私が巻き付けてきたグリーンの
ふわふわしたショールを
美容師さんは少しピンで
留めたりして形を整え
私の首周りに
巻き付けてくれた。
そして、その色に合わせて
髪に付けていた飾りを
グリーンの物に変えてくれた。
そうすると
真っ黒だったドレスが
何だかもっとキレイに
映える気がして
髪に挿した花びらの髪飾りが
とても鮮やかでキレイに見えた
「素敵だわ
この方が断然いいわっ!」
美容師さんは自分で変えた
アレンジを自画自賛して
何だかとても
楽しそうにしてる。
私も、さっきまでの
真っ黒なドレスより
自分に似合う気がしてきた。
ペンダントは
上手く隠れてる。
和也が、あの日に
プレゼントしてくれた
ふわふわで暖かい
大切なショールで。