白い翼と…甘い香り

でも、やっぱり
時間なんて関係なくて

抱き締められると
切なくて

初めてなのに
懐かしい感じのする腕は

どこかで知ってたみたいに
安心できる。

こんなに簡単に、誰かを
好きだと思った事なんか
1度も、なかったのに…

自分の心を見せることなんて
絶対に、無かったのに…



「そんな我慢すること
ねぇのに…

我慢して、どうすんの?

言わなきゃ
伝わらないんだよ?」



「だって、だって

誰も聞いて、くれない…」



抱き締める手に

ギュっと力を込めた。



「リカ…?
俺が、聞くよ?

もっといっぱい
知りたくなった。

だから、話して…

リカの事なら
何でも知りたい。

だから
俺が聞くから

もう泣かないでよ…」



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