白い翼と…甘い香り
離婚届を握り締めて
区役所へ向かう。
とても事務的に書類を受け取り
機械的に動く担当者の対応
必要な事、決まった事しか
喋らない態度は
こんな時には
似合ってるかも知れない。
気のせいかも知れないけど
事務的な態度に、少しだけ
罪悪感が薄れる気がした。
前に踏み出そうとするとき
何かを犠牲に
してるかも知れない。
進もうとすれば
足下には踏みつけた何かが
あるのかも知れない。
そんな想いを抱えて
じゃあ
どうして進むの…?
いくら
難しいことを思ってみても
答えなんか出ない。
それでも進んだ先には
暖かいモノがあると
信じられるなら
何かを捨てても
進むべきだって
そう思うんだ。
ねぇ、和也
そうでしょう?
進まない事の方が、きっと
後悔するんだよね?