白い翼と…甘い香り
タクシーの料金を払い
ゆっくりとドアを開けた。
早く逢いたいけれど
どこか冷静な自分…
マンションに近付くにつれ
逆に段々と
気持ちが落ち着いて来た。
「焦り」が
私の中から消えていた。
色んな事に取り残されて
自分ひとりが
立ち止まっていたような
私の中にだけあった
心の焦り…
幸せになる方法すら
分からなくて、本当は
幸せの意味さえ
気付いてなかった。
今までの生活をどこかしら
「こんなもんだ」
と言い聞かせて
普通を装っていた。
本当は心の中で
焦っていたのに…
これが私の人生なのか?って
諦める気持ちと、焦り。
幸せを装っている自分に
気付かないようにしながら
本当は、焦っていたんだ。
そんなモノが全部
吹き飛んでる気がした。
弱い時だって
あってもいい。
泣きたい時は
泣いてもいい。
だけどもう
それをするのは
1人じゃない。
楽しい時は素直に笑って
その楽しさを伝えればいい。
分からない事は言葉を隠さず
何でも聞けばいい。
相手がいるから
できること。
和也が居たから
そう思えたこと。
ちゃんと1個づつ
帰ったら和也に伝えよう。
話したいことが
山ほどあるんだよ…