白い翼と…甘い香り
自分の巻いたショールを
じっと見て
「でもね、これ巻いてる姿
和也に見せたかったんだ」
そう言って
笑いながら顔を上げると
じっと私を見てる
和也と目があった。
少し、切なそうに…
目が、潤んで
じっとじっと私を見てた。
和也のそんな顔を
見たことがなかった。
「すっげぇ
逢いたかった…」
それだけを言うと言葉に詰まり
すごい勢いで腕を引き寄せて
エレベーターの中へ
引っ張り込むように
抱き締めた。
「かず…や…?」
「んな、いきなり
帰ってくんなよ…
ドキドキが
止まんねぇ…じゃん」
「……」
「俺、泣きそうじゃん…」
私を抱き締めた手も腕も
少し、震えてたんだ。
和也の声も震えて
顔を埋めた胸元からは
早鐘のような
心臓の音が伝わる。
私の肩に
顔を埋めるようにして
抱き締めてる和也の
肩も少し
震えていたね…