白い翼と…甘い香り

大きなスーツケースを
抱えて部屋に戻ると和也は

慌てて部屋を飛び出したから
カギを持って出なかったって
大笑いしたんだ。

オートロックの部屋は
見事に施錠されていて
大家さんに連絡するため
私の部屋に入ってきた。


同じ事を
しているね。

振り出しから
やり直してるみたいだね。


だから、もう1回
引っ越しソバを食べたんだ。


私の部屋にはまだ
大きな荷物が届いて無くて

少し殺風景な部屋だったけど
電気やガスはすぐに
使えるようにしてあったし

食器やお鍋は置いて行ったから
何とか大丈夫だった。

アメリカでの出来事を
少しづつ話しながら
主人との事も少し説明した。

詳しく言うのは控えて
それでも、和也は
色んな気持ちを
分かってくれた。



だからこそ

幸せになろう…



そう言って
もう二度と迷わないように

指切りをした。


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