白い翼と…甘い香り
賞味期限ギリギリの
インスタントコーヒーしか無かったけど
お湯を沸かして
コーヒーをいれた。
リビングのカーペットに
ペタンと2人で座り込むと
やっと落ち着いてくる感じ。
いつもこうやって、床に
座り込むのが好きだったね。
ソファーがあるのに
いつも背もたれのように
使っていたよね。
いつもの
何にも変わらない
2人だった。
「リカが帰ってきたら
渡そうと思って
用意したモノがあったのに」
「何を?」
「ん…、指輪」
「ホントに? どんなの?」
「今はねぇよ。
俺の部屋カギかかってるし」
「アハハ、そうだったね」
拗ねたように笑う和也が
ホントに可愛くて
どんな時でも私は、アナタを
抱き締めたくなってしまうね。
「じゃ、私もペンダント
渡さなきゃ!」
ちゃんと用意してたんだよ
鎖もちゃんと買ったよ!
そう言いながら
和也の首に手を回した。
真正面から向き合って
ペンダントをかけていると
和也の手が少し動き出して
上着の裾から手を入れるように
私の腰を、撫でるんだ。