白い翼と…甘い香り

「そんなの
違うんじゃね?」

「だから
私に聞かないでよ…」

「でも、聞きたい。
何でも知りたいって
言ったじゃん。

教えてよ
マニュアル通りみたいって
どんなの?」


和也は、ものすごく
答えにくい事を聞いてるって
自覚してるのかな?

でも、真っ直ぐに
私を見る目は曇りもなくて
素直そうに澄んでいて

私の事を知りたいと、ただ
そう思ってるだけだって分かる

答えづらい事だけど
言えないわけじゃない。


和也になら
言っても構わない

全部を受け止めて
くれそうな気がした。



「ねぇ、他の人がどんな事を
してるかなんて知らないよ…

でも私は、結婚してるのに
もう何年もしてないし
いつも1人のベットで寝てる。
セックスレスって、事だよ。

だから私に
魅力がないんだと思ってる。

今までに付き合った人は
結婚前を含めても3人だけ。
それしか、居ない」


和也は黙って聞いていた。

憐れんで見てるような
目じゃないから

私は引き込まれるように
全部を話してしまう。



フッと、気付いた。

和也の目は
私を安心させる。

涙が出そうなくらいに真っ直ぐ
優しい目で私を見るから

忘れてた暖かい何かを
思い出させるみたいに
安心する。

和也の目は
曇りがないんだね…

その目が
私を溶かせる。

心も身体も
溶かして行くみたい。


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