白い翼と…甘い香り

「だから
さっきから聞いてんじゃん

ちゃんと答えてって
言っただろ?」


「そういう事?」


「そうだよ。
だから聞いてたのっ

リカが気持ちいい事も
好きな事も、感じる場所も
ぜんぶ知りたい。

どんな声を出して
どんな顔でいるのか
ぜんぶ見たい。

俺が
そうしたいんだよ?」



俺が、そうしたい…

そう言った言葉の意味は
とても深くて

そんな言葉の中にとても大きな
気持ちがこもっている気がする

自分本位な事はしない
SEXは1人でするんじゃない

相手の事をちゃんと見てなきゃ
意味は無いんだって

そんな事を思っていると
伝えてくれる。



もちろん
義務でも強要でもなく

相手を思いやって
気持ちを確かめ合う

それと一緒に
身体も絡め合う

それが大事なんだよって
言ってるみたい。

自分が
気持ち良くなりたいのではなく
相手を感じさせたい。

そんな事を
言われた事もなかった。



でも、私はそれを
知りたいと思う。

好きだと思う相手から
心にも体にも感じる愛を
受け取ってみたいと思う。

「リカ?」

優しい声で名前を呼びながら
首筋にキスをする。


「抱き合うたびに1個づつ
ちゃんと俺のこと、感じて…」


甘く囁くような声は、まるで
私に催眠術をかけるみたいに

違う世界へ
引きずり込んで行くみたい。


< 49 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop