白い翼と…甘い香り


その後
和也が私にくれた世界は

全く知らないモノだった。




抱き合う…
身体を、重ねる…

気持ちを、重ねる。



和也のアゴを
伝って落ちる汗

それを、どんなにか
暖かいモノだと感じたか。



耳許で
優しく名前を呼ばれる
それだけの事に

どれだけ心を
掴まれてしまったか。



手を繋ぎ合い
握り締める。

背中に手を這わせ
抱き締め合う。


でも

抱き締めるのは
身体じゃない。

身体で、受け取る
モノだけじゃない


抱き合いながら
感じながら

心の中で受け取る
その感情の大きさに
驚いた。


もう
何年も生きてきてるのに

心と身体が
同時に抱き締められる

その事を
初めて実感した。




暖かかったの。

本当に。


和也の全部が

暖かかった。




何よりも、心が


満たされた…



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