白い翼と…甘い香り

こういう時間
なんだか懐かしい記憶と
重なるみたいに切なくなる。

私がまだ小さくて
田舎に住んでた頃

蚊取り線香に火を付けて
ウチワを振りながら

お風呂上がりに
縁側で涼んだりした。

そんな、田舎の景色が
すごく懐かしくて
暖かな時を思い出したりして…


あの頃と、風の匂いは
変わってないね。

月の形も、星の色も
何にも変わってないのに

私だけが醜く
汚くなってるようで

だから、変わらない空を
見上げるのが

大好きだった。




こんな、切なくなる夜は
1人で色々と考えよう…

和也に出会ったことが
私にとって
何の意味を持つのか

それがどんな未来を
描くのか分からない。

幸せになれるなんて
思ってない。

私に和也との未来が
あるなんて思えない。



でも
出会ってしまった…


こんなに短時間で
こんな大きな気持ちを
貰った事なんて1度も無い。


ただ、好きだって思った。

ただ、それだけ…


空を見上げて和也を思い出すと
泣きそうになる。

誰かを好きになると
それだけで切ないのに


未来のない恋は

もっと切なくなるね。


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